レッスン記録ノート3


 「豪華客船にてクルーズ予定のT様」のケース

 舞踏会ダンス講習の新聞記事を見つけて連絡をくださいました女性。2カ月後に外国船籍の客船でクルーズに出かけられる予定とのこと。あまり時間もないことですし、何か1種目に絞ってみっちりレッスンするか、4種目くらいを浅く広く覚えていただくか迷いましたが、下船されたあとも続ける気持ちがあるとのことでしたので、ジルバなどのパーティーダンスを広く浅く教えることにしました。

 客船クルーズを申し込まれると、船上では毎晩のようにダンスパーティーが開催されますので、やはり踊れないともったいないですよね。外国船籍の船は外国人が多く居られるので日本のダンスパーティーとはちょっと違います。いや、結構違うかも。
 日本の社交ダンス経験者は、皆さんステップで踊るので、習っていない種目だったり、曲のテンポがちょっと違ったりするだけで、まったく踊れなくなってしまいます。でもそうなると、世の中にある音楽には踊れる音楽はほとんど無いのです。(おそらく1%も無いでしょう)。つまり日本の社交ダンス経験者は、ダンスアレンジされた曲でしか踊れないのです。
 一方、外国のお客さんはリードがとても上手です。ステップは日本人に比べると全然知らないです。でも彼らはほとんどの音楽で踊れてしまいます。

 湘南ダンス学院はリードとフォローで踊ることを徹底します。そのためステップの習得に費やす時間は他のダンス教室より短くなります。未熟な生徒さんは判断力がまだ乏しいので、ステップをたくさん知ることが上達だと勘違いしがちです。ステップをたくさん教えてくれる教室を良い教室だと誤認します。そのため今までも多くの生徒さんが居なくなりました。
 でも、信じてついてきてくださった生徒さんは大変上達し、教室の評判を押し上げてくださいました。今は良い生徒さんばかりに恵まれ、とても幸せだと思います。

シンヤ先生のレッスンこぼれ話1


 「ウィーンで舞踏会に参加予定のN様」のケース。

 2カ月後のウィーンの王宮舞踏会に申し込まれたというご夫婦。ダンスは経験が無いということでした。舞踏会を事前によく研究されていて、ウィンナワルツとカドリールを中心に学びたいとのこと。大正解です。ウィーン舞踏会では、日本のダンスパーティーでよく踊られているスローワルツやタンゴが踊れても、曲が演奏されないので意味ないです。(むしろジルバやサンバのほうがよく演奏されてます。)

 まずウィンナワルツはとてもたくさん演奏されます。そしてカドリールは、カドリールタイムが何度かあるので、踊らない人は見ているしかありません。そしてその二種目は、残念ですが日本の一般的な社交ダンス教室では教わることができません

 ご夫妻ははるばる都内から来てくださいましたが、「インターネットで日本中のダンス教室を探して、ここ(湘南ダンス学院)しか無かった」と言ってくださいました。(今年いちばん嬉しいお言葉でした。)

ウィンナワルツですが、ステップを習得するとなると初心者から2カ月では足りません。それにウィーンの舞踏会はフロアが混雑していて、たとえベテランであっても、ステップを踏み出すことが容易にできません。それらを考えて、横揺れのウィンナワルツをお勧めしました。
カドリールは1番〜6番までありますが、1〜5番は一曲ずつしか踊られないのに比べ、6番は何回も踊ります。だんだん曲が速くなります。そこでカドリールは6番に絞って教えることを提案させていただきました。

ウィーン舞踏会は参加することに意味があります。そもそもが社交の場であって、上手に踊ることが目的ではないのです。できるだけ多くのダンスに参加して多くの時間を会場の皆さんと共に楽しむのが、正しい社交の在り方なのです。

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